2022年11月11日にリュウグウノツカイが富山湾で生きたまま水揚げされたとニュースがありました。
生きたままの水揚げは富山湾では60年で3例目となり、貴重な映像も公開されています。
ここで気になるのが、「大地震の予兆ではないのか」「何か大きな災害の前触れではないのか」というところに着目しました。
この記事でわかること
- リュウグウノツカイは大地震の予兆?
- リュウグウノツカイが珍しいのか?
リュウグウノツカイは大地震の予兆?
【生きたリュウグウノツカイ 捕獲】https://t.co/uOTQQ5W7g4
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) November 11, 2022
✅結論
リュウグウノツカイは大地震と必ずしも関連しない
リュウグウノツカイは水深約1,000mで生息すると言われています。
確かに1962年から2022年の60年の間に、富山湾でリュウグウノツカイが生きたまま水揚げされるのは3例目で、確かにとても珍しいことです。
しかし、リュウグウノツカイが生きたまま水揚げされたことは必ずしも大地震と関連があるとは言えません。
実は富山湾でリュウグウノツカイが2例目に生きたまま水揚げされたのは、2019年2月26日で何十年も前ではありません。
しかも1例目は、この5年前の2014年なので正直3例とも珍しくないのではとも感じます。
珍しいのは生きたまま水揚げされたこと
珍しいのは『リュウグウノツカイが水揚げされた』ことではなく、『たまたま生きたまま水揚げされた』ことです。
深海1,000mと水面近くでは水圧の違いも800倍以上もあるので、水揚げされてもすぐに死んでしまうことが多いので『生きたまま』であることは非常に珍しいことではあります。
ですが、リュウグウノツカイが水面近くに現れることは珍しいことではありません。
実際に富山湾では11月から2月にかけて、リュウグウノツカイが泳いでいる姿はよく見つかると地元の漁師さんが話しているぐらいで、リュウグウノツカイが見つかること自体はそこまで珍しいことではありません。
リュウグウノツカイが『たまたま生きたまま水揚げされた』ことに着目すべきですが、どうしてもリュウグウノツカイが水揚げされたことに注目されてしまいます。
『生きたまま水揚げされた』に注目すると非常に珍しいことでありますが、多くのメディアで珍しい現象だと言えば言うほど「大地震の予兆ではないのか」「何か大きな災害の前触れではないのか」とウワサされてしまうのではないかと思います。
2例目にリュウグウノツカイが水揚げされたのは、2019年2月26日でニュースになりました。
動画もありましたが、現在は削除されていました。
今回の例では、11月から2月にかけて現れるリュウグウノツカイが、たまたま生きたまま水揚げされただけで大地震や災害などと関連がある根拠にはなりません。
ニュースでも富山湾で捕獲されたのは9匹目と報道されています。
いっぱいおるやん!
深海魚が現れるのは大地震の前触れ?
リュウグウノツカイ
地震
錯誤相関 pic.twitter.com/2ZyYojrRuc— エビグラ (@rainrain888888) November 12, 2022
リュウグウノツカイだけでなく、深海魚が水揚げされた時に『大地震の前触れではないか』とウワサされることはよくあることですよね。
他にも深海魚のメガマウスやサケガシラ、ラブカなども、打ち上げられた際に地震がウワサされますが死んだ魚が潮の流れで流されて、たまたま海底から打ち上げられた例も含まれています。
たまたまの例を含めてしまっているので、地震が起こる根拠としては薄いと感じます。
深海魚が大地震の前に現れる理由とされている説は、いくつかあります。
代表的な2つは以下の通り。
- 大陸プレートの移動により、地磁気が発生する
- 海底から深海魚が嫌うガスが発生する
信憑性は分かりませんが、この説が本当だとする根拠は見つかっていません。
有力な説かもしれないので多くの研究者が、深海魚を研究材料としているのではないかと感じます。
またかなり研究された結果として以下のようなものもありました。
1928年11月~2011年3月に確認された336件の深海魚出現カタログを作成しました。そして、リュウグウノツカイやサケガシラなど地震前兆の深海魚といわれている8 魚種について地震との関連を調べ ました。
判断基準としては、深海魚が確認/捕獲されてから30日以内に、発見場所から半径100キロ以内が震源となったマグニチュード6以上の地震が発生している場合を「関係あり」と判断しました。その結果、2007年7月の新潟中越沖地震以外では、対応する地震が発生していなかったのです。
引用:MAG2NEWS
336件中1件だけが該当する研究結果となりましたが、このことから必ずしも地震の前兆として新階級が関連しているとは限らないとも言えるのではないかと感じます。
確かに本当に海底近くの深海魚が地震を予知している可能性もありますが、地震を予知していると思われる生物は深海魚だけではありません。
深海魚ではないクジラやイルカの群れが浜辺に打ち上げられる事例もありますし、地震の前にペットの犬や猫が変な鳴き方をしたり、野鳥が大群で移動したなども挙げられます。
人間や機械が感知できないものを動物は感じ取っているのかもしれませんよね。
深海魚だけでなく、多くの動物が異常行動をすることと大地震についての緊急については、未解明である部分かなり多いです。
研究材料としては適切である可能性はありますが、深海についても未解明であるので、地震以外の理由で深海魚が確認されたり、捕獲される理由があるのかもしれません。
リュウグウノツカイ【大地震】の予兆?災害の前触れなのか調査!
2022年11月11日に『生きたまま水揚げされた』リュウグウノツカイですが、必ずしも大地震や災害に関連するとは言い切れないという結果になりました。
未来のことは誰にもわからないので、今後直近に大地震が起こるのか起こらないのかについても誰にも分からないことだと思います。
本当に地震が発生するメカニズムと深海魚の行動が関連するのかもしれませんが、現状では確実な根拠がありません。
大地震や災害が発生することを事前に察知できれば、避難することも回避することも可能かもしれません。
しかし、今回のニュースがきっかけではなく、普段から防災グッズを人数分準備したり、家族と避難場所の確認をしておくなどの備えはあっても良いと思います。
リュウグウノツカイは自切(じせつ)する生物です。
自切する理由などを別記事にてまとめています。