PayPayで「知らない人からグループ請求が届いた」「断ったのに勝手に引き落とされた」といった不正請求トラブルが報告されています。
本来、知人同士が飲み会などで使う便利な機能ですが、悪意のある第三者がこの機能を利用し、不特定多数のユーザーに対して請求を送りつけるケースが増加しています。
金額は数百円から数千円と比較的少額なことが多く、気付かずに支払ってしまう人も少なくありません。
今回は、「PayPay割り勘詐欺」や「知らないグループからの不正請求」の手口や対処法、そして被害を未然に防ぐための具体的な対策を詳しく解説します。
PayPayで増加する不正請求の手口とは?
知らないグループからの「割り勘請求」とは
最近、PayPayの「わりかん」機能を悪用した詐欺行為が増えています。
この「わりかん」機能は本来であれば友人同士で飲食代やイベント費用を分担する際に便利な仕組みです。
しかし、悪意のある第三者がこれを利用して、全く知らない人をグループに追加し、架空の請求を送ってくる事例が発生しています。
例えば、「先日の飲み会代」や「イベント参加費」など、もっともらしい理由をつけて請求してくることがあり、間違って支払ってしまうケースもあるのです。
こうした被害の背景には、電話番号やPayPay IDなどの個人情報が、何らかの形で流出してしまった可能性があると考えられます。
また、PayPayの初期設定では「誰でも検索可能」になっていることが多く、検索から簡単にアカウントを特定できることも要因の一つです。
被害を防ぐためには、まずはこうした手口の存在を知り、冷静に対応することが大切です。
ただ単純に送信元の相手があて先を間違って入力した可能性もありますので、すべてが詐欺であるとは言い切れません。
実際にあった被害事例
実際に報告されている被害事例には、さまざまなものがあります。
たとえば、あるユーザーは知らないグループからの請求に対して「断る」ボタンを押したにもかかわらず、PayPay残高から勝手に引き落とされたとの声も挙がっています。
さらに悪質なケースでは、1度断ったにもかかわらず、別のアカウントから何度も請求が届くといった執拗な嫌がらせも報告されています。
これはいわゆる「割り勘詐欺」の手口で、複数アカウントを使って被害者を混乱させ、誤って支払いをさせようとする手法です。
こうした事例からもわかるように、「知らない人からの請求」には絶対に応じず、怪しいと感じたら即座にブロック・通報することが必要です。
特にPayPayに不慣れな方は、「断ったから大丈夫」と安心せずに、アカウント設定の見直しやサポートへの報告を忘れないようにしましょう。
どうして知らない人に請求されるのか?
PayPayでは、電話番号やIDでユーザーを検索してグループに招待することが可能だからです。
そのため、電話帳と連携していたり、IDを公開していたりすると、見知らぬ人からでも招待が届いてしまうリスクがあります。
さらに、PayPayの初期設定では、「電話番号での検索」や「PayPay IDでの検索」が「すべてのユーザー」に対して開放されていることが多いです。
そのため、SNSやネット上で電話番号が流出した場合、そこから悪意のあるユーザーがPayPayアカウントを特定し、勝手に割り勘請求を送りつけることが可能になります。
次に具体的に知らないグループからの請求が届いたときにどうするのか解説します。
知らないグループからの請求が届いたときの対処法
「断る」ボタンを押すだけで安心できない?
PayPayで割り勘請求が届いた場合、「断る」ボタンをタップすれば基本的には支払い義務が発生しません。
しかし、まれにアプリのバグや操作ミスで支払いが成立してしまうこともあるため、断った後は履歴を確認し、不審な支払いが記録されていないか必ずチェックしてください。
また、複数回にわたり同じ相手から請求が届く場合は、早めの対応が必要です。
ブロックしても請求が届く理由と対応法
相手をブロックしても、別アカウントから再度請求されることがあります。
詐欺グループは複数のアカウントを使っており、1つブロックしただけでは根本的な対策にはなりません。
このような場合は、PayPayアプリの「通報」機能を使って、該当アカウントを報告しましょう。
あわせて、電話帳連携やID検索をオフにして、自分の情報が外部に出にくくすることが重要です。
警察・PayPayへの通報のタイミングと方法
もし不正に引き落としがあった場合は、まずは速やかに警察に相談し、次にPayPayカスタマーサポートにすることが大切です。
被害にあったことが分かるスクリーンショットなどの証拠を必ず残してください。
サイバー犯罪として扱われる可能性があるため、最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口に連絡しましょう。
次にPayPayカスタマーサポート(電話番号:0120-990-634)にも連絡し、被害内容と取引履歴を伝えて補償の対象となるか確認してください。
後述しますが、PayPayカスタマーサポートが2番目なのは本人確認(eKYC)が関係するからです。
PayPayでの不正請求を防ぐために今すぐできる対策
PayPay IDや電話番号の検索設定を見直す
設定画面から「電話番号やIDによる検索を許可する」項目をOFFにすることで、見知らぬユーザーからの検索やグループ招待を防ぐことができます。
この設定はデフォルトでONになっている場合があるため、初期設定のまま使用しているユーザーは要注意です。
この設定をすると電話番号や連絡先で検索することができません。
しかし、第三者に不正に利用される可能性を考えるとOFFにしておくことが推奨です。
実際に割り勘は対面で行うことが多いので、受け取る側の人は以下の方法でマイコードを表示させてお金を受け取る方法が無難かと思われます。
どうしても対面ではない状況の場合は、『携帯電話番号の検索を有効にする』を一時的にONにして、割り勘が完了次第OFFに戻す方法が現実的かと思います。
利用限度額の設定で被害を最小限に
PayPayには1日あたりの送金や支払いに上限額を設定する機能があります。
仮に不正に請求が通ってしまった場合でも、限度額が低ければ被害を最小限に抑えることができます。
特に普段は少額しか使わない人や子どもに使わせているアカウントでは、1,000円程度に設定しておくのが安心です。
PayPayの補償制度とサポート体制について
不正請求時に全額補償される条件
PayPayでは、不正利用があった場合に全額補償を受けられるケースがあります。
ただし、以下のような条件を満たす必要があります。
- 損害発生日から60日以内の申請であること
- 初回の申請であること、または前回申請した日から1年を超えていること
- ご家族や同居人などの利用ではないこと
- 警察へ被害の届出を行うこと
- 弊社所定の審査条件を満たしていること
加えて、本人確認(eKYC)を行うことで迅速に対応いただけます。
このように、正しい対応と条件がそろっていれば、補償される可能性は高いですが、時間がかかる場合もあるため、早めの手続きが重要です。
本人確認(eKYC)の重要性
PayPayでは、本人確認(eKYC)を済ませていないユーザーに対しては送金や一部機能の制限があります。
一方で、本人確認済みアカウントであれば、万が一のときの補償手続きがスムーズになる傾向があります。
安心してPayPayをご利用いただけるよう、すべてのPayPayユーザーおよびPayPayを利用した不正利用被害に遭われたかたへの補償制度を用意しています。
通常では審査完了まで、申請日から約2ヶ月から3ヶ月ほどかかるようです。
状況によっては3ヶ月以上かかる場合があるので、もしもに備えて本人確認は実施しておいてください。
PayPayの24時間サポートの使い方
PayPayでは、アプリ内チャットや電話でのサポートが24時間体制で提供されています。
不正請求が発覚した場合は、すぐにサポートへ連絡しましょう。
アプリ内のアカウント → 情報の『ヘルプ・よくあるご質問』からチャット形式で相談でき、緊急時は直接電話も可能です。
PayPayカスタマーサポート電話番号:0120-990-634
被害内容を正確に伝えることで、補償の可否や必要な手続きについて案内してもらえます。
まとめ
PayPayを利用する際には、知らない人からの割り勘請求や不正なグループ招待に十分注意が必要です。
被害に遭った場合は「断る」「ブロック」「通報」といった基本的な対応を行い、必要に応じて警察やPayPayに相談することが大切です。
また、設定の見直しや利用限度額の設定、本人確認の実施といった日頃の対策によって、被害のリスクを大きく減らすことができます。
自分と家族を守るためにも、今一度PayPayのセキュリティ設定を確認しておきましょう。