- 並目ねじと細目ねじって何が違うの?
- どんなメリットがあるの?
- どんなデメリットがあるの?
そんな疑問に対して解説します。
本記事の内容
- 並目ねじと細目ねじの読み方
- 並目ねじとは
- 細目ねじとは
- 細目ねじのメリット
- 細目ねじのデメリット
- 細目ねじと並目ねじの見分け方
自動車にも多く細目ねじが使われています。私の自動車整備士の知識と経験と使って解説していきます。
今回は並目ねじと細目ねじについての解説です。
ねじの種類や右ねじと左ねじ(逆ねじ)の見分け方などについては下記を参照ください。
・ねじの違いとは?ボルトやナットなど12種類を解説
・右ねじと左ねじ(逆ねじ)の見分け方は?使用場所と理由・見分け方を2つ解説
・メートルねじとインチねじ測定方法5種!規格やサイズの見方を解説
並目ねじと細目ねじの読み方
(追記)恥ずかしながら記事作成時に読み方を間違えておりました。
本記事のURL内に「saimeneji」とありますが誤記です。大変申し訳ございません。
正しい読み方は並目ねじ(なみめねじ)細目ねじ(ほそめねじ)です。
並目ねじとは?
一般的なねじのこと。
ねじピッチが標準的なもので広く使われており、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
ねじ山とねじ山の間隔のこと。またこの間隔と1回転で入り込む長さは同じです。
例えばピッチが1mmだとすると、1回転で1mm入り込みます。
特徴として細目ねじに比べてねじ山の高さが高く、ピッチが広いことが挙げられます。
細目ねじとは?
並目ねじと比べ、ねじ山が低くてピッチ(ねじ山の間隔)が細かく、微調整が必要な精密箇所や衝撃が加わるような箇所で使用されています。
細目ねじの用途としては、精密かつ衝撃に耐える必要がある自動車部品も多く使われています。
一般ユーザーの方でも目にしやすい細目ねじはタイヤを取り付けているハブボルトですね。
細目ねじのメリット
緩みにくい
ピッチ(ねじ山の間隔)が細かくなることでリード角が浅くなり、水平に近い状態になります。
ねじ山の角度のこと
つまり、リード角が浅くなる(=ピッチが短くなる)ことで1回転で入りこむ長さも短くなります。逆も同じで緩めるときも1回転で抜ける長さが短くなります。
たとえ回転が少しの角度でもピッチが広い並目ねじと比較すると細目ねじの方が抜ける長さが短くなるので緩みにくいとなります。
精密な調整が可能
緩みにくいというメリットでも解説したようにピッチが細かくなることでねじの入り込む深さを微調整が可能です。
例えば水道の蛇口のように水の流量を微調整するようなところに細目ねじが使われています。
折れにくい
ピッチが細かくなるほど、ねじ山の高さが低くなり結果的に芯として残る太さも太くなります。
細い鉄棒より太い鉄棒の方が折れにくいことと同じですね。
細目ねじのデメリット
かじりや焼き付きが発生しやすい
かじりとは?
メリットでも解説したようにねじ山が細かいので、並目ねじと比べて芯は強くてもねじ山の部分は弱くなります。
斜めに入り込んだまま必要以上の力で回すとねじ山が潰れてしまいます。
このようにねじ山が潰れたり損傷することを「かじり」といいます。
焼き付きとは
並目ねじと比べてピッチの細かい細目ねじなので、ねじ山の部分に鉄粉や砂利などの小さなゴミが付いたまま締めこんだ場合、ゴミとねじ山が擦れ合い摩擦熱が発生します。
この発生した摩擦熱によって瞬間的にねじ山が溶けて固まってしまうことを「焼き付き」といいます。
多く回転させないといけない
こちらもメリットで解説したように1回転の入り込む長さが並目ねじより短くなります。
つまり、並目ねじと同じ長さのねじでも締まりきるまでの回転数を多くしないといけなくなります。
並目ねじに比べて入手困難
自動車にも多く使用されており、ホームセンターなどでは販売されていないことも多く、専門の業者やカーディーラーでないと取り扱いがないことがほとんどです。
細目ねじと並目ねじの見分け方
見た目で判断するとすれば、ねじピッチの広さとねじ山の高さに着目すると一番見分けやすいのかと思います。
並目ねじの方がねじ山が高く、ねじピッチが広いので
細目ねじと比較するとゴツゴツしたようなねじ山です。
並目ねじと細目ねじの違いや3つのメリット・デメリットを解説のまとめ
身近なねじやホームセンターで売っているねじは並目ねじが多いとご紹介しました。
細目ねじは折れにくいので、衝撃が加わるところやねじ部分に強度が必要なところに使用されています。
自動車のホイールを車両に固定しているハブボルトにも細目ねじが使われています。
緩んでタイヤが外れたり、段差を乗り越えた衝撃で折れてしまうと困りますよね。
このようにメリットやデメリットから使用されるねじの種類が変わってきます。