大阪府の淀川河口付近に現れたマッコウクジラの淀ちゃんですが、鯨は淡水でも生きられるのでしょうか?
海域にいる海水魚やクジラは淡水でも大丈夫なのかについて、マッコウクジラの淀ちゃんを例に調査しました。
この記事でわかること
- 鯨は淡水でも生きられる?
- 淀ちゃんは大丈夫?
- マッコウクジラが現れたのは巨大地震の予兆?
鯨は淡水でも生きられる?
ちょうど定休日なので淀川河口に舞い込んで来ているマッコウクジラを見に行く。
此花のスーパー堤防を河口に向かっていると左岸(此花区)からは見えないよと教えてもらい、右岸(西淀川区)の矢倉緑地まで移動したらやっと遠くに見えた。(アーチ橋の下、左側)
何度も潮吹いてた。
頑張って戻りや〜! pic.twitter.com/3TrWQRhEy4— 千鳥温泉(=自転車湯≒ブルース湯) (@jitenshayu) January 10, 2023
鯨は水質だけで言えば淡水でも生きられます。
ただし、エサの問題で長く生きられない可能性が高いです。
一般的な海水魚を淡水に漬ける(泳がせる)ことで、病気の元となる寄生虫を死滅させる効果がある『淡水浴』というものがあります。
淡水浴は小魚なら1〜3分、大きな個体でも7分以内に海水に戻してあげる必要があり、少しの間であれば海水魚は淡水でも生きられます。
やっぱり鯨も淡水では生きられないのでは?と思いますよね。
淡水浴の場合、なぜ数分程度で海水に戻してあげる必要があるのかというと、水の塩分濃度の違いによって体内の塩分が調整できなくなってしまうからです。
人間でも浸透圧の違いで、お風呂やプールに長く入っていると手や足がふやけてきますよね。
あの現象と同じで淡水魚は海水に、海水魚は淡水に浸かっている時間を短くしなければなりません。
しかし、鯨の場合は皮膚が丈夫で脂肪層が厚く、汗腺がありません。
そのため鯨が受ける塩分濃度の影響は大きくないので淡水で生きていられます。
鯨はサイズも大きいので、人間とは比べ物にならないぐらい皮膚(体表?)が丈夫なんです。
クジラと生物学的に同じとされるイルカも、エサを求めて淡水の河川に入っていくことがあり、水質だけで言えば鯨やイルカは淡水でも生きていられます。
イルカの場合は小型なので、クジラに比べてエサが大量に必要としません。
クジラの場合、エサを求めるのであれば海域の方が多くのエサが得られるので、河川に入ってくるマッコウクジラの淀ちゃんのような例は珍しいです。
淀ちゃんは大丈夫?
マッコウクジラの淀ちゃん、岸からでも見えた❗ pic.twitter.com/Q4JFZaDeBZ
— トシちゃん (@tosh_cyan25) January 10, 2023
大阪淀川の河口付近に現れたマッコウクジラの淀ちゃんはエサを求めてきたのではなく、衰弱して流された可能性が高いと専門家の方も解説されています。
残念ではありますが、このままでは餓死してしまうのでは…と感じます。
淀川の河口付近では塩分濃度の違いが気になりますが、前述の通り鯨なので大丈夫です。
ただエサの問題があります。
マッコウクジラのエサは深海にいるイカや魚です。
淀川河口付近ではマッコウクジラのエサになるようなイカや魚はいないはずです。
いたとしても8mもの巨体を満足させるほどの量が全然足りないと感じます。
元々衰弱して流されて来た様子で、24時間経ってもほぼ同じ場所にいるところから移動する体力も残されていない可能性が考えられます。
無理やりにでも海域に押し流せばいいのでは?と思いましたが、触れられたことで暴れてしまいケガをしてしまう可能性があります。
潮の流れが変わって海に帰れる可能性もありますが、押し返すこともできず、海上保安庁も観察しているしかできない状態で、最終的には死んでしまったのは本当に残念です。
マッコウクジラが現れたのは巨大地震の予兆?
大阪の淀川で、ありえないクジラ。
巨大地震くる予兆ってほんと!?
こ、怖すぎる😭#大阪 #くじら— ワイエム建業 (@ymkengyou) January 9, 2023
大阪湾に鯨が迷い込んでくることは極めて稀なケースです。
こういった珍しい現象があると噂されるのが巨大地震などの大災害ですが、巨大地震との関連は専門家によって否定されています。
マッコウクジラの大きさは、クジラの中でも4番目の大きさで、大人のオスだと15〜20mの大きさにまで成長する例があるそうです。
今回、大阪淀川に現れた淀ちゃんの体長は約8mで子供のマッコウクジラです。
通常では群れで行動しているので、ケガや病気などにより衰弱してたまたま流されて来た可能性が高いです。
たまたまとはいえ、とても珍しい現象なので南海トラフや巨大地震との関連も気になります。
しかし、海洋生物の専門家によると、否定されています。
それはマッコウクジラは雌と子供が一団となって群れで行動していることが一般的だからです。
仮に今回のマッコウクジラの淀ちゃんが地震の前兆現象の影響を受けたのだとしたら、淀ちゃんだけでなくマッコウクジラの群れごと大阪湾に迷い込むはず。
現在では淀ちゃん以外のマッコウクジラは見つかっていないことと、24時間動かないところから、淀ちゃんが衰弱して群れから離れてしまって流されただけです。
もし本当に地震の影響でマッコウクジラの群れが大阪湾に飛び込んできたら、今以上の大騒ぎになりかねませんね。
鯨は淡水でも生きられる?マッコウクジラの淀ちゃんは大丈夫?【大阪淀川】のまとめ
鯨はエサさえあれば淡水でも生きられることが分かりました。
しかし、マッコウクジラの淀ちゃんについては、衰弱していて流されて来た可能性が高く、エサが見つからずに餓死してしまう可能性が高そうです。
24時間ほぼ同じ場所で動かない状態なので、かなり衰弱しているのではと感じます。
エサがない状況では突然元気になる可能性も低いと感じますが、潮の流れが変わったり、引き潮の流れで海に無事に帰れたらいいのにと感じます。
大阪湾にマッコウクジラが迷い込む現象はとても珍しい現象で、巨大地震との関連も懸念される声が挙がっていることも事実です。
しかし、海洋生物の専門家が否定しているので南海トラフや巨大地震の予兆だと恐れる必要はないですね!
また、鯨の死骸が爆発するというのはなぜなのか臭いや威力がヤバい理由などをまとめています。