古代ナスカ文明の遺産であり、世界遺産にもなっているナスカの地上絵には多くの謎があります。
今回は紀元前後約1,500年も前に描かれたにも関わらず、なぜ消えないのか?
ナスカの地上絵の線は何でどうやって書かれているのかについてまとめていきます。
この記事でわかること
- ナスカの地上絵の謎 なぜ消えない?
- ナスカの地上絵は何でどうやって描かれている?
ナスカの地上絵の謎 なぜ消えない?
ナスカの地上絵に「現地にいないはずの鳥」が描かれていることが判明https://t.co/Ve5OyQw8km
分析を行なったのは北海道大学総合博物館研究チーム。特定された鳥はペリカンとハチドリの仲間であることが判明しており、いずれもナスカ付近には生息していないという。 pic.twitter.com/36sMBfiLUa
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) June 21, 2019
ナスカの地上絵については、まだまだ多くの謎が残っています。
なぜ消えないか調査したところ5つの理由が考えられます。
- ナスカの地上絵を保護している
- 雨が極端に少ない気候
- 霧によって風化しにくい
- 空気の層で砂が蓄積しにくい
- 動物が生息していない
それぞれ解説していきます。
ナスカの地上絵を保護している
「ナスカの地上絵」 新たに168点発見 山形大の研究グループ https://t.co/hd5ik521TK
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) December 8, 2022
ナスカの地上絵が見つかったのは1939年で、アメリカ人の人類学者ポール・コソックさんが最初に発見しました。
見つかってから現代までナスカの地上絵がハッキリと残っているのは、地上絵の素晴らしさや価値を感じてナスカの地上絵を保護している活動があるからです。
保護活動に尽力していたのは、マリア・ライへさんです。
ナスカの地上絵を初めて発見したポール・コソックさんと出会い、一緒にナスカの地上絵について研究しないかと誘ったことで、研究と共にナスカの地上絵を保護するようになりました。
マリア・ライへさんが保護活動を行っていましたが、95歳だった1998年に亡くなっています。
現在では日本の山形大学が世界で唯一、ナスカの地上絵の研究と保護を託されています。世界遺産にも認められているものを日本が保護しているのは誇らしいですよね。
2022年には、新たに168点のナスカの地上絵が見つかるなど、研究も続けられています。
雨が極端に少ない気候
ナスカの地上絵は、南米ペルーの年間降水量は5mmと極端に降水量が少ない砂漠地域にあります。
降水量が少ないことで、雨に伴う浸食の発生が少ないため何千年単位でも自然による大きな損傷がありませんでした。
所説はありますが、このような雨による損傷が少ない地域を選んで、描かれているのではないかという説もあります。
近年では世界的にも異常気象が発生しており、降水量も徐々に多くなってきています。
降水量が増えてしまうと、雨水が小川のように地面を流れ込んだ時に表面を削り取ることとになります。
もしこのまま世界的な異常気象が多く発生してしまうと、世界遺産のナスカの絵が消えてしまう可能性があり、ナスカの地上絵の存続について頭を抱えている状況です。
霧によって風化しにくい
ナスカの地上絵がある地域は、砂漠が広がる地域で雨は少ないですが霧が発生します。
通常であれば海の水が蒸発して、風に流され、山にぶつかることで雨雲が発生しますが、ナスカの地上絵がある南米ペルーでは草木も生えないほどの砂漠です。
さらにこの地域の砂は硫酸カルシウムという石膏の成分が含まれています。
海からの蒸発は霧が湿った空気となり、霧による湿気と砂に含まれる硫酸カルシウムが混ざることで土台が硬くなります。
土台が硬くなったことで、少しの雨や風程度では崩れないようになるのでナスカの地上絵が消えないまま残っています。
空気の層で砂が蓄積しにくい
ナスカの地上絵がある地域の平均気温は約25℃で、日中になると25~30℃ぐらいになるかなり暑い地域です。
日中に水分を含んでいる地面が強い日差しに照らされて、暖かい空気の層が形成されます。
この暖かい空気の層が発生後に南から吹く風に流されることで、小さいつむじ風のように吹くので、線上の砂を撤去することができ、風化を防ぐ役割にもなっています。
動物が生息していない
草木もなく、水分もなく、気温も高い地域にナスカの地上絵があるので、動物も生息していません。
ナスカの地上絵で有名なものとして、コンドルやハチドリなど鳥が多く描かれています。
描かれているのは鳥の動物以外にもアルパカやサル、クジラなど、ナスカの大地には生息していない動物も多く描かれていますよね。
この事実から、ナスカの地上絵を書いた人は他の地域との交流があり、鳥や魚などの動物についても詳しく知っていたのではないかと考えられています。
動物がいない地域であれば、ナスカの地上絵が踏み荒らされたりする可能性は下がります。
ナスカの地域の条件があったからこそ、今までナスカの地上絵が消えなかったのではないかと感じます。
ナスカの地上絵は何でどうやって描かれている?
ナスカの地上絵の線部分は、地面の上に印やマークを置いたりするのではなく地面を掘って書かれています。
細長い盆地にあるナスカの地上絵ですが、長期間に渡って高い位置からの水が流れる力で細かくて明るい黄色っぽい白い土砂が運ばれていました。
この明るい色の土砂の上に、稀に発生していた大洪水で大きい石も含まれた土砂が覆いかぶさっています。
大きい石も含まれた土砂は、日中の焼けるような日差しを繰り返し受けると酸化が始まり、黒っぽい赤褐色の土砂になります。
つまり、黒っぽいのは表面上だけで、地面を掘ると明るい色の砂が見えてくる状態になります。
この掘った時にできる明るい色の溝を利用して、ナスカの地上絵は地面に描かれています。
ナスカの地上絵は多くの動物の絵があり、実際に描かれたナスカの地上絵ますが、掘る幅は1~2mほどで、深さは20~30cmと意外と浅め。
風化による消滅の可能性は低いですが、車でわざと乗りこんで来るようなことがあれば消えてしまうところもあります。
ナスカの地上絵の謎【なぜ消えないのか】どうやって書かれている?のまとめ
ナスカの地上絵は、まだまだ謎が多く残されている世界遺産です。
地面に描かれた線が消えない理由は5つの理由が考えられます。
- ナスカの地上絵を保護している
- 雨が極端に少ない気候
- 霧によって風化しにくい
- 空気の層で砂が蓄積しにくい
- 動物が生息していない
やはり、雨が少ないことが一番の風化しない理由ではないかと感じます。
他にも風化する速さを遅くしているような要素もありますね。
特にナスカの地上絵を保護しているのは日本だというのは意外な発見でした。
世界遺産を世界で唯一研究と保護が託されているのが、同じ日本人として誇れるものがありますね!