深海魚の一種であるリュウグウノツカイですが、自分で胴体を切断する自切(じせつ)という行動をする生物です。
なぜ自切するのか、仕組みやメカニズムも気になります。
自切後に再生するのか?自分を食べるのか?についても調査しました!
この記事でわかること
- リュウグウノツカイはなぜ自切する?
- リュウグウノツカイはどうやって自切する?
- リュウグウノツカイは自切後に再生する?
リュウグウノツカイはなぜ自切する?
リュウグウノツカイが自切する仕組みやメカニズムとして、2つの自分を守るためということが挙げられます。
- 外敵や天敵から逃げるため
- 栄養不足を回避するため
しかもリュウグウノツカイは自切後も生きていられるので、厳しい海を生き抜くために進化しています。
ひとつずつご紹介していきます。
外敵や天敵から逃げるため
まずトカゲと同じように外敵から逃げられるように、まだだ自分の体を切り(自切して)生き延びるように進化したそうです。
しかも、非常事態のときに自切する前提で、内蔵も頭部寄りに集まっています。
自切後も内蔵には損傷がないので、生きていくことができます。
それだけでなく、リュウグウノツカイの性格として『体の半分ぐらい失ってもいい』と考えているそうで、この考えも自切する前提で海を生き抜くために進化したと考えられます。
栄養不足を回避するため
もう一つの理由として、栄養不足を回避するためということが挙げられます。
リュウグウノツカイは、平均で3~4mの個体が見つかることが多く、まれに5m以上にもなる個体も発見されています。
最長では何と11mもある個体も見つかっていて、硬骨魚類の中では世界最長です。
リュウグウノツカイが自切する理由やメカニズムとして、長すぎる体に栄養が行き渡らないので、生き延びるために自切するとも言われています。
水深200m~1,000mの海域でリュウグウノツカイは生息していますが、水深200mの深さというと太陽の光は海面に比べて0.1%しか届かない深海です。
水深200mは深海の入り口で、水深200m~400mの場所は人間では全く光を感じられなくなるような場所です。
そんな水域で生息しているリュウグウノツカイですが、光が少ないような場所で必ずしも餌を見つけられるとは限りませんよね。
一説によると自切後には自分を食べるとも言われていますが、リュウグウノツカイが自分を食べたという記録はありませんでした。
海を生き抜くことも難しいはずですし、光の届かない深海のような場所では本当に栄養不足でリュウグウノツカイが自分を食べるのかもしれませんね。
リュウグウノツカイはどうやって自切する?
リュウグウノツカイが自切する方法は2つあります。
- 外敵や天敵に襲われた衝撃
- 自分で体を震わせて切る
ひとつずつご紹介していきます。
外敵や天敵に襲われた衝撃
1つは外敵や天敵に襲われた衝撃で切ってしまう方法です。
リュウグウノツカイの天敵は外洋性のサメです。
外洋はとても餌の少ない海域で、別名『海の砂漠』と言われているほどです。
餌の少ない環境(外洋性)のサメは特に食料への執着心が強い性格です。
リュウグウノツカイは泳ぎが得意ではなく、遊泳力が弱い魚なので、襲われた時に素早く逃げることができません。
素早く逃げることができないので、自切して生き延びられるように進化したのかもしれません。
リュウグウノツカイが定置網にかかることがありますが、これも網を引き揚げるときに網や海流により引きちぎられることも多いです。
切断されていないまま水揚げされることは、とても珍しいことです。
自分で体を震わせて切る
えっ、リュウグウノツカイって自切すんの?!
リュウグウノツカイが自ら体を切断…発見した地元漁師が驚き「勝手に体を震わせて切れる」(ABEMA TIMES)#Yahooニュース
https://t.co/buHKUejob1— 文月そら (@7th_sky) June 17, 2022
もう一つの方法は自分で体を震わせて切る方法です。
実際に地元漁師がリュウグウノツカイが体を震わせて自切する瞬間を見ていてニュースになったこともあります。
このニュースが報道された当時は、リュウグウノツカイが体の中央付近で切り離している写真か動画が公開されていたと予想します。
いくつかのメディアでも報道されていたようですが、現在見れなくなっています。
定置網にリュウグウノツカイ 胴体を真っ二つに切り離す
|山陰中央新報デジタル https://t.co/QO8qL3l08d凄いな!逃げるために
体のど真ん中2か所で自切できるのか!?— ペンギン整骨院 松戸市常盤平駅🐧手を洗うほねつぎ (@pengin_seikotsu) June 15, 2022
Twitter上でも、このニュースを見て「本当に真っ二つだ!」とツイートしている人も多くいました。
リュウグウノツカイは半分よりも頭部側に内蔵や重要な器官が集まっているので、後ろ半分が失われたとしても生きていくことができます。
リュウグウノツカイは自切後に再生する?
今日1勉強になった。
リュウグウノツカイって
自切するんだ………。あとから再生するんだろうか?
サメから襲われたとき逃げるためかな? pic.twitter.com/AcD3wN8Jjh
— まぐろぐま (@Q9Q9Q9Q) June 15, 2022
リュウグウノツカイは自切後は再生しません。
トカゲと同じようにリュウグウノツカイも自切していますが、生態系の違いもあり、トカゲと同じように失われた部分が再生することはありません。
襲われたときと同じように捕獲したときにも、自分で体を震わせて自切してしまうので、欠損せずに水揚げされることは珍しいことです。
また、リュウグウノツカイだけでなく、サケガシラも自切する魚として挙げられますが、切れやすい部分も決まっていて『自切面』という節目を持っています。
外部からの刺激を受けて、自切面で切り離すことができますが、自切面以外の場所を外敵に襲われると出血などのダメージがあり死んでしまうことが多いようです。
リュウグウノツカイなぜ自切する?2つの仕組みやメカニズムと再生するのか調査
リュウグウノツカイは、海を生き延びるために自切する生物です。
外敵や天敵のサメから攻撃された場合だけでなく、長すぎる体に栄養が行き渡らない時にも、リュウグウノツカイ自身が体を震わせて自切するという事実にも驚きですよね!
リュウグウノツカイが自切できるのであれば、どこで切断しても同じなのかと感じていましたが『自切面』と呼ばれる節目があるんですね。
また頭部寄りに内蔵などの重要な器官が集まっているので、リュウグウノツカイが自切しても大丈夫なのは体の尾びれ側です。
トカゲと同じようにリュウグウノツカイも自切後は再生するのかと想像していましたが、再生しないので自切後ではないリュウグウノツカイが水揚げされるのはニュースになり、研究者も求めるほどです。
また、リュウグウノツカイが現れたことは大地震や災害の前兆ではないのかと言われていますが、その件は別の記事にまとめています。
⇒リュウグウノツカイ【大地震】の予兆?災害の前触れなのかについてはコチラ